リージョナルキャリア新潟のコンサルタント、五十嵐です。

新潟は洋食器や包丁といった金属加工をはじめ、古くからモノづくりが盛んな地域です。とはいえ、機械系で研究開発から手掛けている企業はあまり多くありません。

そこで今回は、新潟市を拠点とする「株式会社WELCON（ウェルコン）」をご紹介します。同社は、熱交換器やヒートシンクといった熱対策ソリューション製品の研究開発に力を注ぐ、新潟でも珍しい研究開発型メーカーです。

（リージョナルキャリア新潟撮影）

株式会社WELCONとは？

株式会社WELCONは、熱やエネルギーの課題に取り組むソリューション型企業です。冷却や均熱、熱交換、反応に対応する様々な高機能デバイスを、企画から開発、製造、量産化まで一貫して行っています。

このような製品づくりを支えているのが、創業以前から取り組んできた拡散接合技術です。同社はこの技術の考察と実証を重ねることで、あらゆる課題の解決に役立てています。

事業活動の基盤には「M3」という開発思想があります。 M3とは、ミニマムサイズ・ミニマムエネルギー・ミニチュアリゼーションを表わし、製品のサイズや性能、製作規模を最小限のエネルギーで実現させようとする考え方です。そして、この開発思想は、高品質な製品やサービスの提供を通じた持続可能な社会への貢献や、環境の維持・向上へとつながっています。

これらの技術力や思想を背景として、同社は資金調達や工場新設など、着実な事業拡大を進めています。新潟発の熱対策製品を世界に提供しながら、ブランドの確立を目指すWELCONは、今後のさらなる成長が期待されます。

拡散接合で広げる WELCONの可能性

（画像引用：株式会社WELCON）

WELCONが提供する熱対策ソリューションの一つに、高度な加工技術を活用した熱交換器があります。熱交換器は、温かい流体から冷たい流体へ熱を移動させるための装置で、"どれだけ効率的に熱を逃がせるか"が性能を測る重要なポイントです。

そのためには、どのような技術や知恵が必要なのか。

熱を効率的に移動させるには、伝熱面積が大きいほど速くなります。しかし、熱交換する対象の大きさは物理的に限界があるもの。そのため、"筐体を如何に小さくして伝熱面積を大きくできるか"に各社がしのぎを削っているのです。

そこで登場するのが、拡散接合技術です（※）。

非常に薄い金属板に流体を通す流路のパターンを描いて加工し、それを何層にも重ね、圧力をかけて原子レベルで一体化させる――この技術の研究を重ねてきた同社は、通常の熱交換器よりも筐体が小さく、流路面積（伝熱面積）の大きな熱交換器の開発に成功しています。

拡散接合は1950年代後半に開発され、原子力や航空宇宙などの分野で使われた技術です。それをビジネスとして応用しているのが WELCONの強みであり、以下の4つが同社を代表する製品です。

※拡散接合技術の詳細は同社公式HPを参照

エネルギー問題と真摯に向き合う企業姿勢

WELCONでは、熱マネジメント・ソリューションを提供する製品の開発に真摯に取り組んでおり、その環境づくりにも力を入れています。

開発環境については、鈴木社長曰く「大学の研究室くらいの検査装置、実験装置を備えている」とのことです。実際、研究開発するための実験を大学や外部機関に依頼する機会が以前よりも少なくなっており、社内でワンストップ対応できることが開発のスピードと質を高めています。

これからは、限りあるエネルギーをどれだけ効率的に活用できるかが問われる時代。

現在、このエネルギー問題と向き合う同社の姿勢に共感し、日本中からエンジニアが集まっています。いつか社員の皆さんの"熱"が形となり、世界の環境問題を解決する一助になるかもしれません。自然とそんな夢を抱かせてくれるような、未来志向の企業です。

株式会社WELCONの求人情報

現在、WELCONでは下記のポジションで人材を募集しております。

品質保証（ASME）

経理（管理職候補）

溶接技術者

CAE解析エンジニア（熱流体）

金属加工オペレーター

※「2025年10月28日」時点の求人情報となります。閲覧されるタイミングによっては掲載が終了している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

当社「リージョナルキャリア新潟」は、株式会社 WELCONと連携し、最新の採用情報をご案内いたします。同社に興味をお持ちの方、新潟県へのU・Iターン転職を検討されている方は、ぜひリージョナルキャリア新潟へご相談ください。