転職成功者インタビュー

株式会社大谷商会
多田弘明さん(仮名・システムエンジニア) 32歳

SEとしての更なるやりがいと豊かな子育て環境と。両方を求めたIターンは大成功。

多田弘明さん(仮名)は、東京のSIerでキャリアを積んだシステムエンジニア。しかし、子どもの誕生を機に妻の故郷・新潟への転居を決意した。土と緑に囲まれた環境で子育てをしたいと考えたからだ。

しかし、仕事の面白さは捨てられない。転職で、SEとしてもっとやりがいのある仕事も手に入れたい。果たして地方に自分が望むような仕事があるのだろうか・・・

不安を抱えてスタートした転職活動だったが、希望どおりの会社と出会い、今では広々としたマイホームも手に入れ、暮らしと仕事の両面で充実した日々を送る多田さんの転職を紹介する。

(※本記事の内容は、2016年11月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
2回
活動期間
エントリーから内定まで39日間

転職前

業種
IT
職種
システムエンジニア
業務内容
大手システムベンダー向けの二次請けSIerにおいてシステムエンジニアとして勤務。

転職後

業種
専門商社
職種
システムエンジニア
業務内容
専門商社の中のシステムエンジニア部門として、社内外システムのプログラミングをはじめ、要件定義やセールスエンジニア的な仕事まで幅広く対応。

新潟に「やりがいと面白さ」を実現する会社はあるのか。不安を拭ったコンサルタントの言葉。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

大谷商会は新潟市に本社を置く商社で、主に産業機械や食品・花卉を扱っています。その中で、私はユニークプロジェクト部門として創られた「ユニプロ事業部」の「ITイノベーショングループ」に所属しています。基本的には社内SEという位置付けですが、私は、現在会社が力を入れている社外向けシステムをメインに担当しています。

当社の商品を仕入れていただく上で、付加価値となるようなシステムをお客さまに提案するのです。例えば、当社の花卉事業部では海外から花を輸入して花市場に卸していますが、花市場から出荷する際に配送を円滑に行えるようなシステムを運送会社に提案する、そのような仕事です。

入社前のご経歴を教えてください。

福島県出身で、東京の大学に進学しました。法学部だったのですが、趣味レベルながらコンピュータが好きだったので、将来の職業にするならとSIer(システムインテグレーター)に就職し、SEとして働き始めました。

新卒で入社した会社は2年で退職。私はお客さまのためにプログラムを書く開発の仕事をやっていきたかったのですが、会社はパッケージ商品を仕入れて代理店として販売していく方向にシフトすることになったため、同業界の会社に転職しました。

どちらの会社でも、主に金融機関向けのシステム開発を手がけていました。

今回の転職のきっかけは?

25歳の時に結婚したのですが、新潟県出身の妻とは結婚当初から「子どもができたらどちらかの地元で育てたいね」と話していました。東京で住んでいた町の小学校は、グラウンドが屋上にあったり、人工芝だったりして、土がない。

好みの問題だとは思うのですが、僕たちはやはり、自分たちが昔そうだったように、放課後には泥だらけになって遊べるような環境がいいと思ったのです。30歳を前に子どもが生まれ、妻と話し合い、妻の故郷である新潟に移り住むことにしました。

転職活動はどのように進めましたか?

最初はいくつかの大手転職サイトに登録しました。しかし、東京で面談をして「新潟で仕事はありますか?」と聞くと、「2件です。東京なら数百件あります」という答え。確かに仕事が東京に集中している業界なのですが、そんなにも地方には仕事がないのかと不安になりました。

それでも、大手のエージェントは登録企業も都市部中心なのかもしれないと思い、地域密着の紹介会社を探したところ、リージョナルキャリア新潟と出会いました。コンサルタントの方との最初の面談時に5~6社の紹介があり、さらにヒヤリングしながら「他にもこんな会社がありますよ」と提示していただきました。「地方にも人はいるのですから、仕事はあります。心配しないでください」と言っていただいたことで、リージョナルキャリア新潟でお世話になろうと決めました。

私からの条件は、ひとことで言えば「やりがいと面白さ」。具体的に言えば、「目に見える仕事」がしたいと思っていました。SIerでの仕事は、お客さまと一度も会わずにシステムを作ることが多かったのです。実際にシステムを使う人の意見がわからないために、良いものができないというジレンマを感じることが少なくなく、ちょっと寂しく感じていました。ですから、社内SEのように使う人の近くで仕事ができるということは、優先事項として考えていました。

今の会社に決めた理由は?

コンサルタントと面接して最初に紹介された数社の中の一つが大谷商会でした。それぞれの会社の個性や求めている人材などの話を聞いて、大谷商会に興味を持ち、もう一度コンサルタントと話して、面接に至りました。その後、採用の返事をいただき、入社を決めたので、面接は1社だけです。

面接では専務とIT部門の係長と話をしたのですが、「これから社外向けの開発に力を入れていこうとしている」「どんどん新しいことを提案してほしい」という話を聞き、面白く、やりがいがありそうだと思いました。

待遇面などの条件は、あまり厳密には考えていませんでしたね。給与については、東京と地方では一般的に1〜2割程度違うということは聞いており、自分なりに設定した額がありましたが、会社からはそれに近い額を提示してもらえました。

転職1年でマイホーム購入。2歳半になった子どもと妻との充実した生活に大満足。

転職してからの1年を振り返って。

2015年の4月に入社して1年半。ひとことで言えば「大変で楽しい」ですね。以前の職場だと「こうしたらもっと良くなるのでは」と言っても認められない大変さがありました。今は、「こうした方がいいのでは」と言うと、大抵の場合は「じゃあ、やってくれない?」となる(笑)。

言ったことは是が非でも実現しなければなりませんから、楽しくもあり大変でもあります。やらなきゃいけない、やりたいことが目の前に山ほどあるのです。新潟本社のIT部門は5人なので、「これはできませんでした」では済まない。代わりにやってくれる人がいるわけではないので、自分が力不足であれば勉強して力をつけるしかありません。

生活面での変化はありましたか?

子どもが2歳半になり、保育園に入ることができたので妻も働き始めました。今年5月に家を買ったのですが、新潟の住宅の広さと家賃の相場は東京とはまったく違うので、経済的にも生活空間にもゆとりがあって、十分すぎる家。マイホーム&マイカーのある生活に、私も妻も大満足しています。

東京時代は、客先に電車40~50分かけて通勤していました。一番遠かった時は、2時間半かけて通っていたことも。しかし、今は車で20分ほどです。休日は子どもを連れて車で外出。それが一番楽しいですね。子どもがぐずっても寝てしまっても、周りに気兼ねすることもない。もう車生活はやめられません。

困っていることや課題はありますか?

マイナス面を挙げるとすれば、車通勤になったので仕事帰りに仲間とフラッと飲みに行くことができなくなったことくらいでしょうか。飲みに行く時は、一度帰って車を置いてから出かけます。

仕事についての今後の課題は、一つの仕事を次の仕事に応用できるよう、ノウハウを蓄積してうまく設計できるようにすること。一度作ったプログラムを似たような案件に応用できれば、お客さまへの提供スピードも上がってくる。新しいお客さまに対して、6ヶ月かかるものを3ヶ月で提供できるようにしていければ、大谷商会ユニプロ事業部の大きな力になると思うのです。

転職して良かったと思うことは?

やりがいがありすぎて困るくらいです。社外のお客さまとの窓口は別に担当者がいるのですが、システムの詳細説明には私自身が出向くこともありますし、納品時に客先に常駐し、立会って様子を見ることも。お客さまから目の前で、「これじゃ使えないよ」とストレートに言われることもあります。

でも、技術者としてはその方が嬉しい。一番辛いのは、そういう声を知らないまま、我々が作ったプログラムをお客さまが我慢して使っていたことが後から分かったりすることですから。仕事の面でも生活の面でも、転職の目的としていたことをクリアできていると思います。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職先に関する条件設定が厳格で、それを満たさない会社は候補から外す人もいる、という話を聞いたことがあるのですが、就職はご縁だと思うので、私はもっと柔軟でいいという考えです。

私自身、もっと粘って探したら、もっといい条件の会社もあったかもしれません。でも、最初に「あ、いいな、面白そうだな」と感じた自分の直感を大事にしました。

東京で働いている人は、特に労働条件にシビアな傾向があるように思いますが、そこであまり厳格になりすぎるのはもったいない。できるなら会社に足を運んで、会社を見て、人に会ってみることが大事だと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
江口 勝彦

座った瞬間に屈託のない笑顔で話をする姿は、営業マンとして飛び回っているかのようなコミュニケーション力を感じる方でした。最初は東京オフィスにお越しいただきTV面談をしましたが、TV越しからも物腰の柔らかさと聡明さを感じました。

ちょうどその週末に東京面談会を開催していたので、そこで直接お話しすることもでき、大谷商会社のことも詳しくお話しすることができました。現職で仕事の創意工夫をしていきたい気持ちがある一方で、受け身の仕事ゆえのもどかしさを語る姿に、「多田さんには、自社でユニークな開発環境を持っている大谷商会社しかない」と強く感じたことを思い出します。

案の定、経営者や上司からの評価も非常に高く、ご本人も、お会いするたびにあの屈託のない笑顔で仕事の楽しさを語ってくださいます。ご家族のお話も伺っていたので、「家を建てました!」と嬉しそうにお話しされる姿に、こちらまで嬉しくなりました。まさに「暮らしたいところで思い切り働く」を体現されているリージョナルヒーローです。

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