ハーバーハウス株式会社
水嶋啓介さん(仮名・住宅設計) 33歳
転職は、自分が本当にやりたい仕事を探すチャンスでもある。
水嶋啓介さん(仮名)は以前、小売業で働いていた。店長やエリアマネージャーとして働いていたが、子どもができてからは、転勤の多さが悩みのタネになっていたという。そこで、地元新潟に腰を落ち着ける生活を求めて退社。実家の工務店を手伝いながら、新たな進路を探し始めた。ところがいざ転職活動を始めてみると、自分が何をしたいのか、どんな仕事に向いているのかが、よくわからない。結局、1社も受けないまま半年が経過した頃、知人のすすめでリージョナルキャリア新潟に登録。すると担当コンサルタントは自分にあう仕事を一緒に探してくれた。そして紹介されたのが、ハウスメーカーの設計という仕事。未経験の職種だったが、飛び込んでみると充実感がいっぱい。今では、「やりたい仕事がやっと見つかった気がします」と話す水嶋さんにお話をうかがってみた。(※本記事の内容は、2016年6月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで60日間
転職前
- 業種
- 小売業
- 職種
- 店舗運営、エリアマネージャー
- 業務内容
- 店長としての店舗運営やエリアマネージャーなど
転職後
- 業種
- ハウスメーカー
- 職種
- 設計
- 業務内容
- 住宅の設計を中心に、顧客対応を幅広く担当
ハローワークは、「自分にあう仕事」まで教えてくれない。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
新潟県内で展開しているハウスメーカーで、設計業務をしています。ただ、うちの会社は営業を置いていないので、仕事内容はすごく幅広いですね。住宅の完成見学会やホームページをご覧くださり、「話を聞きたい」と希望されたお客様に、会社や商品の説明をするところから担当しています。話が進めば設計をし、さらには見積りの提示や契約、完成後のお引き渡しまで、関わっていきます。忙しいけれど、やりがいがありますね。
入社前のご経歴を教えて下さい。
建築関係の専門学校を出た後、新潟県内の小売業に就職して、店長やエリアマネージャーとして10年間働きました。その後、実家がやっている工務店で1年弱、営業や大工として働いていました。
転職のきっかけは?
まず10年間働いていた小売業は、とても転勤が多い会社でした。独身のときはそれでもよかったですが、結婚して子どもが生まれると、不安に感じることが多くなっていました。妻からも、「子どもが小学生になったときに転勤は大変だよね」といわれるようになり、最終的には夫婦で話し合って、落ち着いて暮らせる環境をめざすことに。でも、「次に何をしたい」という仕事がすぐには思いつかなかったので、いったん実家へ戻り、工務店の仕事をしながら転職活動をすることにしました。
転職活動はどのように進めましたか?
どうすればいいかまったくわからなかったので、とりあえずハローワークに行きましたが、解決はしませんでした。なぜならずっと、職種自体を迷っていたからです。自分が何をしたいのか、どんな仕事が向いているのかが、よくわからなくて・・・。ハローワークのサービスは、そこが決まっていることが前提。求人情報は紹介してくれますが、その前の話は教えてもらえません。だからいつまでたっても、わからないままでした。それで前の会社の友達に相談してみると、リージョナルキャリア新潟を紹介してくれました。もちろん登録する前は心配もありましたが、すでに実家に戻って半年たっていたことと、なにより「自分にあった仕事から相談にのってもらえる」と聞いたので、登録してみることにしました。面談ではこれまでの経歴や趣味などを話し、すぐに何社か紹介してもらえました。でもその中にはピンとくる会社はなかった。そのように伝えると、「方向性が決まってないからだ」とずばりいわれてしまいました(笑)。それで、「人に喜んでもらえる仕事に興味がある」と話したのですが、今度は「抽象的すぎる」とアドバイス。でもそういうふうにはっきり言ってもらえてよかったです。そこから具体的に考えられるようになりましたから。そして紹介してもらったのが、今の会社です。募集職種は設計。確かに専門学校時代に勉強したことはありましたが、実務で図面を描いた経験はありませんでしたが、それでも大丈夫とのことだったので、面接を受けさせてもらいました。
今の会社に決めたポイントは?
まず受けたいと思ったきっかけは、担当コンサルタントから社長の考えを聞いたことでした。お客さんと社員をすごく大切にしているということが伝わってきて、「働いてみたい」と思いました。「営業社員を置かない」とか「展示場を作らない」といった、他の会社とは違う考え方も、自分にはしっくりきました。あとは、引っ越しを伴うような転勤がないということも大きなポイントの一つ。面接のときにそういう希望を伝えて、了解してもらえました。
わからないことばかりでも、気軽に聞ける雰囲気があれば、働きやすい。
転職していかがでしたか?
とにかくわからないことがいっぱいで、最初は大変でした。何がわからないって、もう全部です(笑)。お客様と何をどう話したらいいのかもわからないし、銀行ローンや不動産などの知識も覚えなきゃいけない。設計にしても、専門学校で勉強したときとはCADの種類が違うので、CADの使い方から習得しなければいけませんでした。ですが年齢だけは部署でいちばん上(苦笑)。年下に聞きながら、仕事を覚えていく毎日でした。 でも、みんな親切なので助かりました。私みたいに何にもわからない人間にも丁寧に教えてくれましたし、わからないことや、気になったことは何でも聞ける雰囲気がある。だからすごく働きやすいです。
生活面での変化はいかがですか?
引っ越しはしていないので、住まいは今も実家です。会社には車で1時間ほどかけて毎日通っています。休みは土日じゃなく、火水になりました。実家で働いていたときよりも子どもと会う時間は少なくなりましたが、小売業のときの不規則な生活よりは良いです。何より、転勤がなくなったことを妻は喜んでくれています。
困っていることや課題はありますか?
特に思い当たらないです。土日が休みじゃなくても、運動会など子どもの大事なイベントのときは休ませてもらえますし、1時間の車通勤も苦になりません。ONとOFFの気持ちを切り替える、いい時間になっています。収入は小売業のときよりも減りましたが、以前はアパート暮らしで、飲み会など出費が多かった。だから実家に戻ってきてから出費は減りました。
転職してよかったと思うことは?
まず、転勤がなくなったのは大きいです。家族も安心しています。仕事の面ではお客様に喜んでもらえることが、とても嬉しい。マイホームは人生でいちばん大きな買い物ですから「あなたを信用しています」とか「任せてよかった」という言葉をお客様からいただけたときは、大きなやりがいを感じます。小売業のときは100円から高くても1万円までの商品を売っていましたが、今は数千万円。「ありがとう」の重みも違います。しかも今の会社なら、家づくりの1から10まで、すべてに関わることができます。普通の設計と違って、お客様と話すことが多い仕事なので、小売業時代の経験も生きているなと思います。着実に技術も身につけていくことができるし、自分が本当にやりたい仕事や、自分にあっている仕事が、やっと見つかった気がしています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
「わからなければ、わかる人に聞け」という言葉もありますが、転職も全く同じではないでしょうか。わからなくてモヤモヤしているくらいだったら、リージョナルキャリア新潟みたいな転職支援会社でもいいし、知人でもいいし、経験がある人に聞いてみたらいいと思います。転職って、最初はすごくハードルが高いイメージでした。でも実際にやってみたら、そうじゃないとわかりました。入社してみたら意外と転職してきた人が多くて、「あ、企業にとってもプラスなことだ」と実感。だから自信を持ってチャレンジしていいと思います。面接もそう。ついつい肩に力が入ってしまいますが、「とりあえず会社の話を聞いてみる」という、気軽なスタンスで受けていいのではないでしょうか。すべては話を聞く、というところから始まると思います。