転職成功者インタビュー

株式会社宮野食品工業所
岡本祐輔さん(仮名・営業) 27歳

両親のこと。子育てのこと。将来を考えたら、準備は早めが正解!

岡本祐輔さん(仮名)は、27歳の若さで新潟へのUターンを決断したリージョナルヒーローだ。きっかけは結婚。家族を持ったことで、今までに感じたことのない不安が芽生えてきたのだという。

勤務していた会社は、ベンチャーから東証一部への上場を果たした急成長企業。だからこそ仕事も忙しく、深夜の帰宅や休日の呼び出しも当たり前。また、社員がみんな若いことに対しても、「自分が40歳、50歳になったときに居場所があるのだろうか?」と不安になっていた。

一方、新潟で出会ったのは、歴史のある老舗メーカー。社員の平均年齢もかなり高いが、「だからこそ、生涯働けるという安心感があります」と岡本さん。さらに、両親と同居することで得られるプライベート面の安心感も大きいという。「早めに準備してよかった!」と話すその表情は、さまざまな不安から解放された晴れやかさに満ちていた。

(※本記事の内容は、2015年3月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで66日間

転職前

業種
人材業界
職種
営業
業務内容
営業アウトソーシングのマネージメント業務や、人材派遣サービスの営業など

転職後

業種
食品業界
職種
営業
業務内容
煮豆や惣菜、和菓子などを作っている食品メーカーの営業

結婚して芽生えた、将来への不安。「今の生活、今の会社でいいのか?」

現在のお仕事はどんな内容ですか?

煮豆や惣菜、和菓子などを作っている食品メーカーで、営業をしています。取引のある問屋、商社、スーパーなどに対する新商品や季節ごとの販促企画の提案や、新規の取引先開拓に取り組んでいます。

入社前のご経歴を教えてください。

山形の大学を卒業した後、人材サービス企業へ就職しました。入社した当初はそれほど大きな規模ではないベンチャー企業でしたが、在籍中に東証一部に上場しました。そんな急成長を遂げた会社で私は、家電メーカーや通信会社などに対して、派遣社員や業務委託の採用を提案する営業を担当していました。東京で4年間働き、その後、宇都宮に転勤になりました。転職したのはそのときです。

転職のきっかけは?

26歳のときに結婚したことを機に、今後のことや、地元の新潟で働くことを真剣に考えるようになりました。前職では、生活リズムが不安定で、毎日終電近くまで働いていました。土日も、お客さまから電話がかかってきて仕事に行くこともしょっちゅう。

1人ならそれでもよかったのですが、結婚し、このままの生活では良くないと思うようになりました。また、新潟で暮らせば、子どもができたときに両親のサポートも受けられると考えたからです。

もう1つの理由は、会社に対する不安もありましたね。前職は、40歳以上の社員がほとんどおらず、ある程度の年齢になると、退職してしまう人が大半でした。そんな状況を見ていると「自分が歳をとったときに、居場所があるのだろうか」という不安が急に芽生えてきました。

そこで早めに準備をしよう、と思い立ったのです。異業種に挑戦するにしても、20代の今のうちに動いた方が良いだろうと考えていました。

転職活動はどのように進めましたか?

転職活動といっても、仕事を続けていて時間もなかったので、キャリアコンサルタントの方に任せきりでした(笑)。最初から新潟に特化した人材紹介会社にお願いしたいと思っていて、インターネットで検索して見つけたのが、「リージョナルキャリア新潟」。登録すると、すぐにキャリアコンサルタントの方から連絡をいただきました。ただ、なかなか面談には行けず、電話だけでやりとりを進めていきました。

そんな中で、現在の会社を紹介していただきました。その後、年末に新潟に帰省したときに面接を受け、2月に内定をいただきました。内定が出てから前職に退職の意思を伝えたのですが、引き留められ、結局入社したのは6月です。

今の会社に決めたポイントは?

新潟は食品メーカーが強いというイメージがありましたので、食品メーカーを希望していました。実家から通えることもポイントですね。それまで今の会社のことはまったく知らなかったのですが、面接で社長とお話し、「正直に商売している会社だな」という印象を強く持ちました。商品の品質で勝負し、安売りしない姿勢に「この会社なら自信を持って営業できる」と思いました。

待遇はあまり気にしていませんでしたね。多少給与が下がっても働く環境が良ければ、と思っていました。働いている方々の雰囲気もアットホームで、良い方ばかりです。

両親との同居に不安を感じていた妻に、「働いたらいいよ」とアドバイス

転職していかがでしたか?

最初の1ヵ月は工場で製造について勉強し、その後、上司と一緒に客先訪問を始めて、年末年始の繁忙期がひと段落したころから、1人で営業するようになりました。現在は、福島、千葉、茨城の3県を担当しています。

商品の品質も良く、会社としても、「多少価格が高くても、品質の良さを理解してくれるお客さまに商品をお届したい」という考え方なので、自信をもって営業することができ、とても働きやすいです。当社の商品は自分で食べてもおいしいと思いますし、商品力が非常に高いです。

年末年始には製造も手伝いました。というのも、年末になるとお客さまが忙しく、営業活動ができなくなってしまうのです。そのため、11月下旬からは営業に出ず、社員全員で工場を手伝います。私もパック詰めや出荷を手伝いましたが、想像以上に忙しかったですね。

生活面での変化はいかがですか?

週の半分は出張し、しかもかなりの距離を車で移動しています。ただ、日帰りではないので、そこまで体に負担は感じていません。生活は規則正しくなったと思います。以前は夜型の生活でしたが、現在は朝型の生活になりました。毎朝6時に起きて、7時前には自宅を出ます。

帰りは、19時には会社を出ることができます。以前は23時まで働いていたので、帰宅時間はずいぶん早くなりましたね。それに、決まった休みがしっかりとれるのも嬉しいです。住まいは私の実家で、両親と一緒に暮らしています。

ご両親との同居生活はいかがですか?

想像以上に快適です。両親は飲食店を経営しているので、しょっちゅう顔を合わせるという感じではありません。昔から放任主義でしたし、シェアハウスで生活しているような感じかもしれません。お互いに良い距離感が保てていると思います。

妻もこちらで働いていますよ。前職で保育士をしていたので、すぐに職場が見つかりました。実は、妻ははじめ、両親との同居に不安を抱いていたようです。そこで、「家にいるよりも働いている方が気分的に楽なら、働いたらいいよ」とすすめると、喜んでいました。ただ、家事は母に任せきりなので、妻は「良いのかな」と心配しているようですが(笑)。

困っていることや課題はありますか?

入社して今、ようやく半年が経ったところです。業界特有の情報にまだ疎いので、まだまだお客さまと話が合わないこともあります。業界については、これから学んでいかないといけませんね。

転職してよかったと思うことは?

今後、親の面倒をみなければならなくなったとしても、子どもができたとしても、同居したことで備えができていますから、安心感がありますね。加えて、今の会社は年齢が高めの方が多いのですが、年配の方がいきいきと働いているところが魅力的だと思います。

生涯を通して働けるということは良いことですよね。私がその先輩たちの年齢になったときに、会社の中心を担って働けることを想像すると、将来が楽しみです。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私も以前、採用の仕事をしていたことがあるので、その経験から言わせてもらうと、「今の会社が嫌だ」という理由で転職してもうまくいかないと思います。「嫌」ということが理由だと、採用する側にも、「キャリアアップのために入社したいのではないのだ」と伝わります。前向きな理由で転職したほうが良いですね。

また、転職を考えているなら、早めに行動することもおすすめします。企業は、年齢によって期待することが違います。30代以降になると、同業種経験を問われることが多いです。異業種への転職となると、ハードルが上がってしまうのではないでしょうか。

あとは、転職先が決まるまで、今の仕事を辞めない方が良いと思います。決まる前に退職してしまい、ブランクができると、転職活動をする際にマイナス要素になる可能性もあります。でも、仕事を続けながら転職活動をするのは難しいですよね。時間もなかなか取れませんし。だからこそ、リージョナルキャリア新潟のようなパートナーを見つけることが大事です。私自身、キャリアコンサルタントの方からたくさんフォローしていただき、非常に助かりました。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
江口 勝彦

成果が問われる人材系急成長企業での苛烈な仕事経験を明るく元気に話す姿に、営業としての磨かれ感を感じずにはいられない方でした。人材業界でモノを扱ってこなかったので、モノづくりでの営業がしたいと明確な志向をお持ちでした。まさにこういう力のある方が郷里に帰り、成長意欲のある経営者とお引き合わせしたいと強く思ったことを思い出します。

しかし、村上市のご実家に帰ることが前提のUターン。村上市は、新潟市から車で1時間以上かかる街。通勤圏内で、多くはない選択肢を探していくことがそのスタートでした。

そんな中、勢いのある若手経営者の宮野食品工業所様(新発田市)から、営業職のポジションをお預かりしました。「ここしかない」という出会いでした。優秀な人材が、成長意欲溢れる経営者と出合うことを象徴するような素晴らしい出会いだったと思います。入社後の自社商品を持つ笑顔が忘れられません。

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