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「AIRMAN」への進化を経て、未来を創る北越工業。

北越工業株式会社
代表取締役社長 佐藤 豪一

更新日:2024年12月25日

新潟県生まれ。英国暁星国際大学卒業。
1995年 北越工業株式会社の取引先である会社に入社。営業に従事。
1998年 北越工業株式会社 入社。営業、生産管理、経営企画、管理部門にて従事。
2024年 代表取締役社長 就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

世界に羽ばたく企業として~歴史ある企業の新たな挑戦。

北越工業株式会社は1938年の創立以来、86年にわたり、建設機械のリーディングカンパニーとして歩んできました。エンジンコンプレッサやエンジン発電機などの製造で培った技術と信頼をもとに、2025年の4月には新たな一歩を踏み出し、社名を製品ブランド名でもある「AIRMAN(エアマン)」に変更します。

この決断の背景には、主に二つの理由があります。一つは、ブランド力の強化です。当社の「AIRMAN」ブランドは国内外で高い認知度と信頼を誇っていて、このブランド名と社名を統一することで企業イメージをさらに強固なものとし、グローバルな認知度向上を目指します。

もう一つは、当社の新たな挑戦の姿勢を内外に示すことです。この社名変更を通じて、常に新しい価値の創造に挑戦し続ける企業であることをより鮮明に打ち出していきます。

「AIRMAN」という名称には、「世界に羽ばたく人材を育てたい」という私たちの願いも込められています。この社名変更は単なる名称変更ではなく、当社における新たな挑戦への決意表明でもあるのです。この新しい社名のもと、社員一人ひとりがさらなる成長と革新への意欲を高め、国内外で活躍できる人材となることを期待しています。

多様な経験が育んだ、会社トップとしての歩みと経営哲学。

私は新潟県の西蒲原郡で生まれ、小学校6年生までをこの地で過ごしました。その後、父の転勤に伴い東京へ移りました。大学卒業後は北越工業への入社を見据え、まず取引先の会社で3年間営業の経験を積みました。それから1998年に北越工業に入社し、営業、生産管理、経営企画、管理部門と、会社のほぼすべての主要部門を経験した後、2024年2月に代表取締役社長に就任しました。

こうした各部署での経験は貴重な学びの場となりました。特に工場の生産管理では、製造指示を通じてものづくりの現場を深く知れました。また、経営企画部門においては、会社の収支、資金繰り、採算性といった経営管理の重要さを学びました。

これらの多岐にわたる経験は、社長として会社全体を見渡す上で非常に役立っています。製造業では生産部門と営業部門とでは視点が異なることがあり、例えば、生産部門は在庫削減を望み、営業部門は迅速な納品のために在庫確保を求めます。両方の立場を経験しているからこそ、各部門の課題や視点を理解し、全体最適の判断ができると自負しています。

また、入社以来、私が一貫して大切にしているのが現場主義です。管理職も実際に現場に足を運び、空気を肌で感じ、現場の従業員とコミュニケーションを取ることで、組織の風通しを良くできるという思いがあるからです。

ただ、社長があまり頻繁に現場に出すぎると周りから「社長は暇なのでは?」と思われかねないので、そのバランスを取るのが難しいところです。こうした現場主義の姿勢と多様な部門での経験を活かし、AIRMANの新時代を切り拓いていきたいと考えています。

技術力と製品力、そして風通しの良い社風。北越工業が誇る三つの「強み」。

当社には三つの大きな強みがあります。それは、優れた技術力と多彩な製品ラインナップ、そして風通しの良い社風です。

第一の強みは、86年の歴史で培った技術と品質管理のノウハウです。その成果は市場シェアに顕著に表れており、エンジンコンプレッサ市場では国内シェア90.9%、世界でも14.9%を獲得(※)しています。特にエンジンコンプレッサのPDSシリーズは低騒音・低燃費を実現し、エンジン発電機のSDGシリーズは高い信頼性と耐久性が業界内で高い評価を得ています。

第二の強みは、多彩な製品ラインナップです。エンジンコンプレッサやエンジン発電機に加え、高所作業車やミニバックホーなど、建設現場や工場で使用される機器を幅広く提供しています。例えば、当社の高所作業車はコンパクトな車体で狭小地での作業に適しており、都市部の建設現場での需要が高まっています。こうした製品の多様性により、顧客ニーズに対して包括的な対応が可能となっています。

第三の強みは、風通しの良い社風です。これは技術革新と品質向上の源泉であるだけでなく、社員のモチベーション向上や効率的な業務遂行にもつながっています。まさに、当社の競争力を支える重要な要素といえます。私たちはこれらの強みを活かし、常に顧客ニーズに応える高品質な製品開発と社員一人ひとりが成長できる環境づくりに努めています。

※エンジンコンプレッサの国内シェアは日本建設機械工業会資料をもとにした北越工業株社による推計値(2024年3月期)。世界シェアは推計値(2023年)。

これからを生きる子どもたちのために、未来志向の製品開発を。

当社では、「新しい価値を追求し、社会と産業の発展に貢献する」という理念のもと、製品を通じて社会に貢献し、より良い未来の創造を目指しています。

特に注力しているのが、時代の変化に即した新しい製品や技術の開発です。例えば、水素社会の到来を見据えた水素エンジンのコンプレッサの開発がその一つです。また、環境負荷の低減を目指し、生活の中で排出される廃植物油を使ったバイオディーゼルなどの燃料を使用する発電機の開発も進めています。これらの製品はCO2排出を抑制する地球環境に優しい設計となっています。

こうした取り組みは、持続可能な地球環境を次の世代に引き継ぐための大切な使命だと考えています。私たちはこの地球を、未来を生きる子どもたちからの預かりものとして捉え、環境に配慮した製品開発を持続していきます。さらに、当社の製品や取り組みを通じて育った子どもたちが、将来「この会社で働きたい」と思えるような企業を目指します。

当社は、革新的な技術や製品の開発、環境保全への取り組み、そして社員一人ひとりの成長を通じて、安全で持続可能な社会の実現に貢献していきます。社会や産業の発展を支え、豊かな地球環境を次世代に引き継ぐことが、私たちの重要な使命です。これからも、より良い未来の創造に向けて、果敢に挑戦を続けます。

「AIRMAN」が示す、目指すべき人材像と育成方針。

当社では、人材育成を企業の持続的成長を支える重要な柱の一つと位置づけています。当社が目指す人材像は「AIRMAN」という言葉に集約されていて、これはAction(行動力)、Innovation(革新性)、Reliability(信頼性)、Mission(使命感)、Ability(能力)、Network(ネットワーク)の頭文字を取ったものです。

ただし、新入社員の皆さんにこれらすべてを最初から求めているわけではありません。目指すべき方向性として示すことで、日々の業務を通じて成長してほしいと考えています。特に重視しているのが、コミュニケーション能力とチームワークです。私たちは「一人で二人分の仕事をするのは難しいが、二人で三人分の仕事をするのは工夫次第で可能だ」という考えのもと、個人の能力向上とチーム力の最大化を目指しています。

さらに、社員の皆さんには「戦略的撤退」の重要性も伝えています。すべての課題に一人で真正面から立ち向かうのではなく、時には一歩引いて考える勇気も必要です。また、一人で抱え込むのではなく、チームで取り組むことで、より良い解決策が見つかることもあります。これもまた、チームワークについて学ぶ貴重な機会になると考えています。

若い世代の斬新なアイデアを積極的に取り入れる風土づくりにも力を入れています。年齢や経験に関係なく、優れたアイデアは積極的に採用し、会社の事業として取り上げることで、若手社員のモチベーションも高められると考えています。個人の成長とチームの力を融合させることで、より良い会社と社会の実現を目指しています。

86年の伝統と革新の融合、新時代への挑戦と期待とは。

北越工業は86年の歴史を誇る企業ですが、決して古い体質の会社ではありません。常に新しい価値を追求し、未来の創造に挑戦し続けています。私たちは、単なる利益追求にとどまらず、製品を通じて社会に貢献し、より良い未来を築くことを目指しています。

その過程で、社員一人ひとりが成長し、充実感とやりがいを得られる環境づくりに注力しています。社員の成長が会社の発展につながり、それが社会のさらなる進歩に寄与する。このような好循環の実現が私たちの目標です。新しい社名「AIRMAN」には、世界に羽ばたく人材への期待が込められています。グローバル市場での競争力強化と、多様な文化や価値観を理解し、活躍できる人材の育成に力を入れているのです。

また、社会貢献活動の一環として、地域との連携にも注力しています。その一例が、新潟県立鳥屋野潟公園に建設されたスケートパークのネーミングライツ・パートナー契約の締結です。私たちは、この「AIRMANスケートパーク」を通じて、スケートボード文化の発展と競技人口の拡大に貢献するとともに、地域の皆さんとの交流をより深めていきたいと願っています。

これは、当社の企業理念である「新しい価値の創造」を、製品開発だけでなく、地域社会との関わりの中でも実践していく取り組みの一つです。この新潟の地で生まれ、育っていく子どもたちの思い出のどこかに「AIRMANスケートパーク」が残ってくれたなら、これほど嬉しいことはありません。

こんな私たちと共に、新時代の産業機械の世界を切り拓いてみませんか?私たちは、高いコミュニケーション能力を持ち、チームワークを重視できる方、新しいことに挑戦する意欲のある方、自らのアイデアを積極的に提案できる方を特に歓迎します。ぜひ、一緒に新しい価値を創造し、より良い未来を築いていきましょう。皆さんのチャレンジを心よりお待ちしています。

編集後記

コンサルタント
芳賀 可南太

創業以来、同社が培ってきた技術を次世代へつないでいくと共に、果敢に挑戦を続けていきたいという社長の力強いお気持ちと、社員への期待に満ちたインタビューでした。

高い技術力と国内外での高いシェアを強固な基盤とし、多彩なラインナップ展開や新製品開発など常に新しい価値を追求し、燕市から世界へ羽ばたくAIRMANの事業展開に高揚感を抱きました。

確かな技術力と製品力に加え、風通しの良い社風を大切にされている同社の理念に共感していただける候補者のマッチングに向け、精一杯ご支援を続けていきたいです。

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