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次なる成長ステージへのフェーズ。会社全体のベクトルを合わせて。

一正蒲鉾株式会社
取締役副社長執行役員 滝沢 昌彦

更新日:2023年4月05日

1954年 新潟県⽣まれ。
1978年 株式会社第四銀行入行。営業、証券投資、海外業務、経営監理に従事。
2011年 一正蒲鉾株式会社⼊社。
2020年 取締役副社長執行役員に就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

⽔産練製品とマイタケでトップクラスのシェアを誇る。

一正蒲鉾は1965年に創業者の野崎正平が独⽴起業して以来、新技術・新事業への展開を積極的に進めながら成⻑してきた会社です。カニ⾵味かまぼこ「サラダスティック」を筆頭とする⽔産練製品やマイタケ⽣産で全国トップクラスのシェアを誇っています。

企業としては2015年の創業50周年を経て、2016年度に30年後にあたる2045年度のあるべき姿を描いた「ICHIMASA30 ビジョン」に基づき、⻑期の成⻑戦略に取り組んでいるところです。

私がこの会社へ来て10年以上経ちますが、前職は第四銀⾏でした。新潟県の旧⽩根市の⽣まれで、県外の⼤学に進学しましたが、⻑男ということもあってUターンをして、新卒で⼊⾏しました。⽀店での営業職が⻑かったのですが、証券投資業務や海外勤務の後、最後は本店での経営監理を担当。その後銀行の関連会社を経て、「一正蒲鉾が⼈材を欲しがっているからどうか」という話をもらった次第です。

正直にいうと、銀⾏員時代は当社のことを詳しくは知りませんでした。ただ、「新潟のかまぼこメーカーがマイタケ栽培を後発で始める」という新聞記事にすごくインパクトを受けたことを覚えていましたね。

創業50周年に向かって取り組んだ東証への上場。

一正蒲鉾に来てからは経営管理部⾨を担当してきました。当時はジャスダックに上場していましたが、2015年の創業50周年に向けて、ステップアップにチャレンジしようということになり、2014年に東証⼆部に市場変更し、半年後に一部に上がることができました。2022年に市場再編があって、現在はプライム市場に移⾏しています。この流れは会社にとってのエポックメイキング的な出来事でした。

もうひとつ、コーポレートガバナンス・コードにも取り組んでいます。そこには様々な要求事項がある訳ですが、我々に出来ていたこともあるし、出来ていない部分もありますので、それらについての制度設計が2015年からスタートして、いまも続いています。

銀⾏から⼈材を求めたということは、ひとつにはスタンダード=標準的な会社にしてほしい、というメッセージだと受け取りました。創業者が引っ張ってきたオーナー会社から、パブリックな存在になっていくとか、あるいは会社の制度がスタンダードと⾷い違ってはいないかとか、そういったことに気付いて公的な会社になっていく道を作ることが、私⾃⾝のミッションだったのかなと思いますね。

その意味ではジャスダックから東証一部に上がったことや、コーポレートガバナンスの取り組みなどは、公的でスタンダードな会社になるプロセスであり、そこに携わってきたという実感はあります。

サステナビリティの取り組みもいち早く。

この10年来で、会社の福利厚⽣なども充実してきていると思いますし、公的な存在という雰囲気は、従業員の皆にも感じてもらえているのではないかと思います。SDGsに関する取り組みも意識的に他の企業より先に始めていますし、2021年にはESG経営宣⾔も出しています。会社のそうした姿勢は従業員にも共有できているのかなと思いますね。

サステナビリティについて取り組むのも、コーポレートガバナンスなどの延⻑線上にあることなので、それらをやってこなければできなかったはずです。そういった⾯でも、他社よりも一歩先に進もう、先進企業に追いつこう、そこからもっと先に⾏こう、という当社のマインドも、こうした仕組みを作るなかで出来てきていると思います。

受動的な採⽤から⼈材戦略の中での採⽤・教育を⽬指す。

⼈材⾯でいうと、これまでは⼈材採⽤については、⽣産や営業、管理などの各部⾨から「こういう⼈材が欲しい」という声に応える形の受動的な採⽤をしてきました。これからは、人事サイドで⼈事戦略を⽴てて、社内の⼈的資本をどうしていくかを考え、能動的に採⽤、教育、能⼒開発を⾏っていく時期にきているのかなと感じています。

受動的な採⽤は、会社が持続的な発展をしていくための意思が、そこに⼊っていないんですね。会社の社会的価値と、我々が取り組んでいる経営戦略と⼈事の戦略、全てのベクトルを合わせて、その⽅向性に合った⼈材を⼊れていくことが必要です。これからはそうしたことを議論し、会社が向かうべき道に対して、採⽤や教育がパラレルで進んでいけるかが重要だと思っています。いま、会社がそういうフェーズに⼊っているのだと感じますね。

キャリア採⽤者に求めるのは発展につながる芽。

採⽤では最終⾯接を担当していますが、やっぱり明るくて、笑顔で、元気な対応ができる⼈がいいなと思います。中途採⽤で⼊って、違う企業⽂化のなかで能⼒を発揮するには、やはりコミュニケーションをとる必要がありますし、ある程度突破⼒を求められる場⾯もあるので、そういう資質は⼤切です。当社の社是には、「誠実」という⾔葉が⼊っているのですが、やはり受け⼊れる側としては誠実、正直という要素を持っているだろうと思える⼈を選ぶのが基本かなと考えています。

中途採⽤というのは、専⾨性を採⽤するということは間違いないですし、その専⾨性も当社が既に持っているものではなくて、当社にはない専⾨性を求めたい。そこに何かスパークするところがあるはずだと思っているわけです。それが当社の発展に結びついてほしい。かっこよく⾔えば、そういう⼈材がイノベーションの芽を出してもらうことで、既存のオペレーション⼈材と化学反応する、そんな役割は求め続けたいと思います。

従業員全体のベクトルを合わせ、⽬指すその先へ。

これからの一正蒲鉾が発展するには、全員のベクトルを合わせていかなければなりません。そのためにも、年に4回⾏っている全体幹部会議の内容を各職場単位でフィードバックして、パーパスや経営戦略を共有する取り組みを始めています。

また、ROIC(投下資本利益率)経営という概念を取り⼊れつつあり、それは現場の仕事がどう会社経営に反映されているのかを理解するというものですが、そうすると現場で⽣産している⼈たちが、ただモノを作っているというところから、⾃分の仕事ひとつひとつが、ROIC向上につながるんだという意識を持てるようになります。そうなっていけば、会社全体のベクトルが合うようになるかなと考えています。

いま、様々なもののコストが上がって、商品も値上げをしなければいけないなかで、値段が上がっても買いたいと思ってもらえる商品を提供していく必要があります。当社の場合は希少性が高い水産資源を代替する「ネクストシーフード」という、世の中にまだ市場はないけれど、当社の技術で市場を作っていけるようなものに積極的に取り組んでいかなければなりません。

マイタケも「希なり」というクリーム⾊のものが、ビタミンDの含有率が⾼いということで、健康志向的な付加価値を付けていくことができる。すり⾝⾃体も良質なたんぱく質で、低カロリー、低脂質という特性が、健康志向の時代に合っています。そうした⾯でも、他社よりも先に、その先へ、というマインドで進んでいけたらと思います。

編集後記

コンサルタント
榊原 壮太

今回のインタビューを通して、同社がガバナンスを重視し、従業員のベクトルを合わせて会社全体で時代変化に対応していこうとしていることを改めて理解でき、またオーナー企業からパブリックな存在に変えていく滝沢副社⻑の取り組みで会社が変わっていく様に驚きました。

中途採⽤ではこれまで同社にない専⾨性を求めています。⾷品メーカーに勤めている⽅や、海外営業、⼯場で⽣産に携わっている⽅など、新しい知⾒を同社に与えていただける⽅の応募をお待ちしております。

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